H17.7月更新  所長の部屋          番外編はこちらから 
梅雨入りしてからのカラカラ天気、雨量の少ない今年、何か57.7.23長崎大水害の天候に似ているような感じがいたします。天変地変・世界には異常気象に伴う自然災害が多く発生しておりますが何事もなく夏らしい夏が来て欲しいものですね。
 最近の世界情勢や日本の政治問題から日本の行く末を心配している人々が多く、これも異常というのでしょうか。アジア諸国のリーダーたる日本にならないといけないのに、近隣諸国との、殊に中国・韓国との軋轢、歴史問題・教科書問題・靖国問題等々、山積した共通問題をどのように決着をつけるのでしょうか。
 テレビではあの名大関貴ノ花関の死去に伴う若・貴騒動がチャンネルを押しても花盛り、マスコミもマスコミなら若貴も若貴であり、それをネタに各週刊誌ではあることないこと、日本ってのう天気・・これって異常気象???今回はこの若貴にスポットを当ててみましょう。

若・貴の虚しい茶番劇

戦後の相撲界をリードしてきたのはまずは大鵬・千代の富士そして貴乃花であろうことに全く異存はない。当時は優しいおにいちゃんとかわいい弟と云う兄弟愛を表看板に日本相撲協会も人気を博したものでした。

貴乃花が大関に昇進するとき、大関推挙伝達式での使者に対する口上は

『今後とも不撓不屈の精神で精進致します。』と、云うものでした。

 又、横綱昇進のときの横綱推挙伝達式の使者に対しての口上は、
『横綱の名を汚さぬよう不撓不屈の精神で相撲道に不惜身命を貫きます。』
と、云うものでした。それは1994年(平成6年)11月23日のことでしたね。若くて頼もしくて、そしてそのような立派な口上を発言し、ますます人気はうなぎ登りでした。

 それがどうでしょう。引退してこれより若い弟子たちを立派な相撲道に導かなければいけない立場の人が、父、貴ノ花の告別式以後の豹変ぶり、日毎各テレビ局を回り実兄や母親の確執を呆れるほどに暴露している、なんとも情けない光景でありましょう。

不惜身命とは法華経『譬喩品の偈』・・・『もし人精進して、常に慈心を修し、身命を惜しまざれば、すなわち為に(この経を)説くべし』

と、ある他、同経に散見し、また諸経に見える。・・・と、あります。
命を惜しまず、ささげることなのですね。

 あの2001年夏(5月)場所の優勝決定戦で見た横綱武蔵丸との一戦、人生いろいろ発言の小泉総理が痛みに耐えてよく頑張った、感動した、ありがとう。」と云わせたあの一戦こそが鬼の形相をして命を懸けて戦った不惜身命ではなかったでしょうか。その気持ちをもうお忘れなんでしょうかね。

 一方の若乃花は大関昇進の大関推挙伝達式での使者への口上は、

『今後とも一意専心の気持ちを忘れず、相撲道に精進いたします。』いうものでした。

 又、横綱昇進のときの口上は、

『横綱として、堅忍不抜の精神で精進していきます。』と云うものでした。あれは1998年(平成10年)5月27日のことでしたね。相撲界にしては体格に恵まれない小兵力士でしたが父よりもらった粘り腰と切れ技をもって努力の横綱であったろうと思われます。

 堅忍不抜・・・我慢強く堪え忍んで心を動かさないこと
                     
 ・・・であります。

それがどうでしょう。相撲界から離れたこと、それは自由でしょうが、父が作り上げた相撲道に対して長男として何をしてきたでしょう。相撲界は弟に任せた、であるならそれこそ一意専心・堅忍不抜ではないでしょうか。・・・言葉の一人歩きだったのですね。

不惜身命の言葉に恥ずることのないこれからの相撲界を背負って立つ社会人、そして弟であってほしいものです。

堅忍不抜の言葉に恥ずることのない父の名を汚さず一意専心を肝に銘ず社会人、そして兄であってほしいものです。

横綱は刀を持つことを許されています。これは相撲道は“礼に始まり礼に終わる”という武士道に相通ずるものがあるからなのです。第二の人生も礼に始まり礼に終わって欲しいものですね。

= 教  訓 =

 相続とは親兄弟が離れ離れになることなり。骨肉の争い激化そのものである。

 亡くなられた先代貴の花は相談相手がいなかったのか。顧問弁護士や公認会計士又は税理士に相談すべきであった。
  なぜ、遺言書を作っていなかったのでしょう。
公正証書遺言書・自筆遺言書を作るべきだったのです。

今回は若・貴問題からわれわれにも降り懸かる、骨肉の争いを避ける何かを感じ取って欲しいと思います。相続ではいんな問題が生じます。日常の中からこれほどまでにと、呆れるほどの揉めに揉め醜い争いが生じています。人間、欲の塊なのでしょうか。
最後に一相撲ファンとして名大関貴ノ花関に対し心からご冥福を祈ります。

                                        合  掌
                                         
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