事案3 得意先の破産手続きの進行と貸倒損失処理(法人税)


取引先が破産手続きを準備しているが、当社としてはいかなる段階で貸倒れ処理が可能か。
《破産の手続きの大まかな流れは》

@ 破産の申し立て(自己破産、第三者破産)
 →  個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入
                         (法令96@三八)
A 破産宣告、管財人の選任
B 債権者集会、債権届出
C 配当表の作成・公告、配当率(配当額)の決定通知、配当の実施
D 任務終了による計算報告のための債権者集会
E 裁判所による破産終結決定
F 免責決定(個人)、清算結了(法人)
    → 貸倒損失の計上
 上記Eの段階において「事実上の貸倒れ」(法基通9-6-2)に該当し、この時点で貸倒損失を計上(損金経理)することも可能
同時廃止等の場合
裁判所による廃止決定
     →破産債権者全員の同意を得て行われる「同意廃止」
     →破産財団が破産手続の費用にも満たないような場合の廃止
                 ↓
破産宣告と同時に費用不足が判明→破産宣告と同時に廃止決定がなされる
   →同時廃止(特に、小規模な個人事業者等の場合に多い)


 一般論としては、同時廃止の場合については、「事実上の貸倒れ」処理が容認される。