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退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に支払を受ける一切の給与をいいますが、会社が退職手当等を支給する場合には、原則 、所得税の源泉徴収をしなければなりません。 ただし、死亡により退職した者の遺族が受ける退職手当等で、その死亡後に支給期の到来するもののうち、相続税の課税価格計算の基礎に算入されるものについては、所得税が課税されないことになっていますので、この場合の退職手当等からは所得税の源泉徴収をする必要はありません。
なお、相続税の課税価格計算の基礎に算入される退職手当等とは、その支給が被相続人の死亡後3年以内に確定したものとされていますので、被相続人の死亡後3年経過後に支給が確定したものについては適用がありません。
この場合には、相続税ではなく、その支給を受けた遺族の一時所得として所得税が課税されますので、源泉徴収は不要ですが、所得税の確定申告が必要になります。
このように、死亡した者の遺族に支給される退職手当等は、その支給期が、被相続人の死亡の前であったか、死亡の後であったかによって課税上の取扱いが違いますので注意しなければなりません。
これらをまとめますと、次のようになります。
退職手当等の内容 |
課税上の取扱い |
生前退職金 |
退職所得として課税 |
被相続人の死亡後3年以内
に支給が確定した退職金等 |
被相続人の相続財産(退職手当
金)として相続税課税 |
被相続人の死亡後3年経過後
に支給が確定した退職金等 |
支給を受けた遺族の一時所得として課税 |
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