第七回 源泉所得税 実務のポイント
15.3月更新

=高額な慰安旅行費用の取扱い

Q7
 慰安旅行の費用でも給与となり、源泉徴収が必要になる場合があるそうですが、どのような慰安旅行が該当するのですか。
 社会通念上一般的ではないと認められるような高額な慰安旅行は、給与として課税されますので、源泉徴収が必要です。





 レクレーション費用の取扱い                   
 会社が、従業員のレクレーションのために、社会通念上一般的に行われていると認められる会食、旅行、演芸会、運動会等の行事の費用を負担する場合は、その行事に参加した従業員が受ける経済的利益については課税されないこととされています。
 ただし、その会食、旅行、演芸会、運動会等に参加しなかった従業員に対し、その参加に代えて金銭を支給するような場合(会社の業務の必要に基づき参加できなかった人だけに金銭を支給する場合を除きます)は、金銭の支給を受けた従業員はもちろん、その旅行等に参加した従業員についても、その不参加者へ支給した金銭相当額の給与の支給があったものとして課税がなされます
 また、役員だけを対象としたこれらの行事を負担する場合には、その行事に参加した役員に対して、その負担額に相当する給与の支給があったものとして課税がなされます




 慰安旅行の取扱い                             
 会社がいわゆる慰安旅行を行う場合、その慰安旅行が社会通念上一般的に行われていると認められる程度のものであるときは、福利厚生的なものとして給与課税されません
 慰安旅行が社会通念上一般的に行われている程度のものかどうかは、その旅行の企画立案、主催者、旅行の目的・規模・行程、従業員の参加割合・会社及び参加従業員の負担額及び負担割合などを総合的に勘案して判断されることになりますが、次のいずれの要件をも満たしているものは、原則として課税されないこととされています。
@ その旅行に要する期間が4泊5日(目的地が海外の場合は、目的地における滞在日数によります)以内であること
A その旅行に参加する従業員の数が全従業員の数(工場や支店等の単位で行う場合には、その工場や支店等の従業員の数)の半数以上であること
B その旅行によって従業員の受ける経済的な利益があまりに多額でないこと
 
 したがって、上記要件を満たさないような慰安旅行にかかる費用は給与になりますので、源泉徴収が必要になります。




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